南京錠を開ける方法と注意点
南京錠は簡単に使える便利な鍵ですが、「鍵を無くした」「番号を忘れた」といったトラブルが起こりやすいのも事実。
この記事では、南京錠が開かない時に試せる鍵の開け方や注意点を解説しています。
目次
南京錠の種類
南京錠と一口に言っても、いくつかの種類に分かれています。
今回紹介するのは3種類、「シリンダー式」「ボタン式」「ダイヤル式」です。
種類ごとに開け方が異なるため、どういう南京錠なのかというところから説明します。
シリンダー式
鍵を差し込んで回すことで解錠するタイプの南京錠です。
使い方がシンプルで手に取りやすい一方、鍵を無くすトラブルと付き合っていく必要があるタイプとも言えます。
ボタン式
設定された番号のボタンを正しい順番で押し込むことで解錠できる南京錠です。
ダイヤル式同様、鍵をなくすトラブルとは無縁ですが番号が分からなくなってしまうと開けられないため注意が必要です。
ダイヤル式
数字が書かれたダイヤルを回し特定の数字を揃えることで解錠できる南京錠です。
鍵をなくす心配はありませんが、番号を忘れてしまうと開けられなくなってしまいます。
シリンダー式南京錠の鍵を無くした時の開け方
鍵を差し込んで回すタイプのシリンダー式南京錠ですので、鍵をなくしてしまうと開けることができなくなってしまいます。
もちろん業者に依頼して開けてもらうのも手ですが、今回は鍵屋に依頼する前にご家庭で試すことのできる鍵開け方法を紹介します。
安全ピンでピッキング
まずは、安全ピンを2つ使ってピッキングをする方法を紹介します。
その前に、前提知識としてどのようにして鍵が開くのかを簡単に説明します。
シリンダー内部にあるピンが正しい高さに揃うことで鍵は回ります。
この高さを少し強引に揃えることで鍵が無くても開けることができるというのが、ピッキングです。
さて、ピッキングのイメージが湧いたでしょうか。早速方法について解説します。
手順① まずは使用する安全ピンをピッキングに使える形に変形させる
1本は先端が丸くなるように、もう1本は先端を少し角度が付くように加工します。
素手での加工が難しかったらラジオペンチなどを使用することによって少し楽に加工できますよ。
手順② 先を丸くした安全ピンを鍵穴にさす
鍵穴の、穴の大きい方に先を丸くした安全ピンを差し込みます。作業中は今さしたこの安全ピンで鍵を回す方向に力を加え続けます。
手順③ もう1本の安全ピンをさす
もう1本の角度を付けた方の安全ピンを挿入します。この安全ピンでシリンダー内部のピンを一定の高さまで持ち上げます。
正しい位置まで持ち上げることができると、わずかですが感触が伝わってくるはずなのでその感触を頼りに正しいピンの位置を見つけましょう。
手順④ 鍵穴を回す
正しく内部のピンに干渉することができれば、鍵穴が回りますので、これでピッキングは完了です。
また、この一連のピッキングの作業は、鍵穴の大きい方が下になるように持ったり、万力(バイス)などで南京錠を固定しながら行うとやりやすいです。
クリップでピッキング
クリップでピッキングを行う場合も流れとしては安全ピンでの場合と同じです。しかし、適切な加工方法だけ少し異なります。
手順① クリップをピッキング用に変形させる
クリップを画像のように折り曲げます。
折り曲げずに使用すると強度が足りず作業中に曲がり、うまくピッキングができなくなることがあるので、補強するイメージです。
ラジオペンチなどを用いることでより頑丈に加工できます。
手順② 2本のクリップを挿入する
安全ピンのとき同様、1本は回す方向に力を入れ続け、もう1本はピンを持ち上げるためのクリップです。
手順③ 鍵穴を回す
ピンを正しい高さに合わせることができたら鍵穴を回します。
これでピッキング完了です。
ボタン式南京錠の鍵の開け方
正しい数字や順番が分からなくなってしまった時に試せるボタン式南京錠の開け方を紹介します。
確実性は低いですが手先の感覚に自信がある人は試してみてください。
正解の数字を手先で感じ取って数字を揃える
こちらも手先の感覚がかなり重要になる方法ですが、ボタンを押したときや、押した後さらに押し込むときの感覚などで番号が分かることがあります。
感覚的にダイヤル式よりも少し難しいですが、挑戦してみたい方は試してみてはいかがでしょうか。
ダイヤル式の南京錠が開かない時の開け方
数字を揃えて解錠するダイヤル式の南京錠。ボタン式南京錠同様、正しい番号が分からなくなってしまうと開けることができなくなってしまいます。
そんな時に試せる開け方を紹介します。
手先の感覚を頼りにダイヤルを揃える
番号の組み合わせは有限なので、順番に試していけばいずれ開きますが、もう少しだけ早く開く確率を上げる方法があります。
それは、ツルを引っ張りながらダイヤルを回す方法です。
そうすることでわずかですが、ひっかかりを感じることができるようになり、この感覚がつかめれば時短になる可能性があるので一度試してみましょう。
開かない南京錠は破壊して開ける
その南京錠が使えなくなってしまうという大きなデメリットはありますが、壊して開けるという方法もあります。
壊さずに南京錠を開ける方法を試して開かなかった場合などに試してみましょう。
スパナを使って破壊する
まずは、スパナを2本用いて南京錠を壊す方法です。
用意するスパナの大きさは、南京錠のツル(U字型の部分)と2本のスパナがぴったりと接するサイズである必要があります。
手順① 2本のスパナを南京錠のツルに噛ませる
手順② 画像のように噛ませたスパナをハサミを使う感覚で内側に回す
一定以上の力が加わると、ツルの部分が外向きの力に耐えかねて壊れます。破片などが飛び散る可能性があるので、スパナのセットができたら上から布やタオルを被せて行うとより安全です。
ハンマーを使って壊す
次に、ハンマーを使って開ける方法です。
手順としてはスパナを使う方法よりシンプルで、ツルを外側に引っ張りながらツルが外れる方の根元をハンマーで叩きます。
この方法はうまくいくと、衝撃でピンが浮き上がり鍵が開くことがあります。
しかしながら、外れない場合がほとんどではありますので、その場合は叩き壊しましょう。
叩き壊す場合、破片などが飛び散ってけがをしないように注意しながら壊してください。
やってはいけない南京錠の開け方と注意点
自力での鍵開けの際、安全には特に意識を向けなければいけません。
無理に壊すと破片などが飛び散って危険
破壊による開錠に関して、力任せに無理やり開けようとすることは危険です。
壊れる瞬間に大きな力が加わっていた場合、破片やパーツが勢い良く飛び散る可能性がありますので、タオルや布などを被せておくと良いです。
防犯上の注意点
破壊による開錠によって開いた鍵はもちろんもう使うことはできません。
なので、もし施錠されている箇所が継続して施錠しておく必要のあるところだった場合は、壊す前に新しい鍵を準備しておく必要があります。
壊してから買うのだと、その間は無防備になります。
自分の物じゃない南京錠は無断で開けない
当たり前のことですが、ここで紹介した方法は基本自分の所有物にのみ試してみてください。
他人の鍵を勝手に開ける/壊すことは絶対にしてはいけません。
南京錠が開かないときは鍵屋へ依頼するのが安心
南京錠が開かない時、自分で試せる方法には限界があります。
確実かつ安全に、また、スムーズに解錠するには専門の鍵屋に依頼するので最も安心できます。
プロは専用の工具や技術を用いて、様々な方法で南京錠を開けることが可能です。
南京錠が開かない、開けたいけど鍵をなくしたなど困ったことがありましたら、ぜひカギの出張救急車にご相談ください。